なんくるないさ ちょなんかん

赤目柏の生長著し

いったいぜんたいチョナンカンソンセンが何様かはよー知らんが、酔っぱらって深夜の公園で裸で騒いでゐただけのことで、夜7時のNHKニュースのトップで取り扱はねばならん大事件なのかね。*1
「裸で何が悪い!」
とは或る意味哲学的で意味深淵な問ひかけだが、恐らくほぼ無人の公園での出来事なのに「公然猥褻罪」+「家宅捜査」と言ふのも激しい違和感を感じるな。
そもそも我が邦は、多くの場合酒の席は無礼講と聞くし、「酒の上」での失態は可成り幅広く黙認許容される風土と理解してゐるし、時の大臣様が海外で酔っぱらってふにゃふにゃ〜のむにゃむ〜にゃで記者会見しても「公然不敬罪」で逮捕されないお国柄のはずではないか。
  
とまれ、このやうな激しくどーでもよいことに対して長時間を費やして報道するマスコミの、お里や正体はとっくに知れてゐるが、何百万人に報道として見せつけて、「事件」に仕上げて行く手法は許せないことだ。*2
兎に角、こんな騒ぎのことなどは超級どーデモよい。そんなにどーデモよいならわざわざ言及せねばよいではないかと思ふのだが、くだらなさも或るレベルを超越すると(下回ると?)、偉人の言及を余儀なくされるてうのが此の宇宙の摂理でもあるのだ。
アホらしい。実にタワケらしい・・・
   
   
   
   
   
さて、昨夜の SONGS は坂本教授。
一般に所謂歌手の出演する此の番組にしては珍しく、歌の無い SONGS だった。*3
   
1曲目は Tibetan Dance 、柔らかなタッチで伸縮自在の演奏。予めプログラミングされた無人ピアノと、教授の演奏する「生」ピアノのデュエット。ドッペル・グロスピアノ? ほどよく油が抜けて、耳に心地良いけど、此の時期此のタイトルの選曲は何か意味を読み取るべき?・・・考へ過ぎ??
  
2曲目は to stanford 、5年ぶりのソロ・アルバム『out of noise』からの曲だが、アナログ盤(パッケージレスCD版や所謂LPレコード盤)も有る。複雑で美しい和音の積み重なりが、儚く崩れゆき、そしてまた折り重なるやうに展開する。ただただ、うつくしい。
  
そして名曲 Merry Christmas Mr. Lawrence の演奏は幾分情緒過多。キャンドルに取り囲まれた映像演出も過多。胃酸も過多・・・
  
最後は「即興」(大竹伸朗との競演)*4、様子見的演奏で音は極めて少なめ。黒い「見え」Tシャツを着てグランドピアノに向かふ坂本教授。一方大竹氏は、屏風のやうに立てた大きなキャンバスに黙々と、木炭でデッサンを進める。ノイズや無音が音楽の一種であることはよくわかるが、わざわざ競演(共演?)する意味はよくわからんし、期待したほどの効果は無かった様子。
  
それにしても大徳寺は弧篷庵の茶室「忘筌」で御接待されまして、『out of noise』をイメージしたてう不等辺四角形のお菓子(甘さ控ゑめ)をパクつき、李朝の古井戸茶碗でお抹茶をごくり。さすがの教授も50代後半になって、産土に舞ひ戻り音の侘び寂を目指す?
 
「死ぬときは日本で死にたいと思ひますねー」
「寅さんとか見ても泣いちゃうもん」
 
なんてうお茶目な発言も、この歳なら許されるのかもしれない。
久々に彼のコンサートに行ってみたくなった。
  
  

*1:午後9時のニュースでも大々的に取り扱ってゐた。呆れたものだ。

*2:一芸人の失態にはこれほど時間を費やして大仰に騒ぎ立てるのに、ダライ・ラマ猊下の来日に関する報道は皆無である。去る22日に来日され今天成田のホテルで記者会見を開き数々の重要な発言をなされたが、産経新聞以外では其の詳細を知ることはまったく出来ない理不尽さを、だう思ふかね。

*3:もっとも教授自身は何曲もアルバムで歌声を披露してゐるが、お世辞にも上手いとは言へない。いや、お世辞にもヘタウマとも言へない。

*4:プログラムには二人の「コラボレーション」と書いてあるが、よく意味がわからん外来語なので此の場合日本語でかう書けば宜しい。