春爛の音

植物世界

ほぼ終日、ヘンリー・パーセルの音楽をヘヴィーローテーション。
   
矢張りThe Fairy Queen-Prelude & Hornpipe のたたみかけ押し寄せるやうな旋律の展開が見事で、演奏者よりも曲そのものに魅了されて仕舞ふ。次に印象的な曲は King Arthur-Overture in d, Air in d, Overture in D で、中間部のお上品なエアが始まる前、ホーンパイプ・カノン風のフーガが展開する部分が極めて印象的。
些か繊細な印象を受けるAbdelazer-Overture に続く Rondo は、ベンジャミン・ブリテンが「青少年のための管弦楽入門」のテーマとして使った三拍子の曲だが、原曲は意外に淡泊で優雅なロンド(ワルツ)だ。
パーセルの音楽は歌劇か劇音楽が多いので、大仰なファンファーレや典雅なパヴァーヌなどが次々と立ち現れるのだが、開け放った縁側から穏やかに吹き込む暖かく乾いた春風と良く馴染み、耳にも肌にも心地良い。
個人的には真夏の昼下がりの気怠さと感傷的な雰囲気を湛へた、ソナタ第7番などが大変お気に入りで御座ゐます。
   
   

パーセル:妖精の女王~劇音楽の世界

パーセル:妖精の女王~劇音楽の世界