三岔口

三叉路。
行く先が一つではないことはわかってゐる。
同時に二つの道を行くことが出来ないこともわかってゐる。
しかし、選択肢は常に三つ以上あると考へるべきなのかもしれない。
三叉路にやってきた、其の道を引き返すてう「道」もあるだらうし、三叉路の交叉点で空中に消滅する方法もあらう。
道を閉ざして仕舞ふのは往々にして自分自身であることが殆どだし、流されてきたはずの道も其の実は自身が無意識のうちに敷設してきたものであることが多い。
日常の何気ない風景に潜む三叉路は深淵であり、実は様々な人々の運命の象徴でもあるのだ。