虚仮世界

桃色昼咲き月見草

物有り混成し、天地に先んじて生ず。寂兮たり寥兮たり。
獨立して改(かは)らず、周行して殆(とど)まらず。以て天下の母と爲すべし。
吾れ其の名を知らず。之に字(あざな)して道と曰ひ、強ひて之が名を爲して大と曰ふ。
大を逝と曰ひ、逝を遠と曰ひ、遠を反と曰ふ。故に道は大なり、天は大なり、地は大なり、王も亦た大なり。
域中に四大有り、而して王は其の一に居る。人は地に法(のつと)り、地は天に法り、天は道に法り、道は自然に法る。
                    
                   
いつのまにか庭の柿の木も若葉が茂り、コゲラがジュッジュッ、ギーギーと鳴き乍ら枝葉をしきりに飛び歩く。
近所の藤棚からは程良く希釈された甘き香りが漂ひ来て、鼻腔を擽る。気が付けば、門長屋の入口脇では、昼咲き桃色月見草が一斉に開花しており、そよ風に揺れてゐる。其の様子が実に長閑で、儚くも美しく、思はずうっとりと眺め込む。
一通り花の盛りを過ぎたと思いきや、足下には黄色や紫色の方喰の花。新緑の成長逞しいローズマリーの横では、チェリーセージの赤い可憐な花。隣家の庭先では、雪柳に代はって小手毬の白い花。
吹く風や若葉の色合ひに初夏の欠片を確実に感じ見乍ら、6月に決定された愛蘭土紀行幻灯会の準備を本格的に開始する。
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愛蘭土のメガリス(巨石)遺跡のことをイロイロ調べてゐたら、連鎖的にイギリスのストーンヘンジで発掘調査が始まってゐることを知る。
如何にもBBC らしい紹介方法で、深夜に一人でほくそ笑むもまたをかし。
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