型式を守ることの意味

華やかなる花々の陰には・・・

一見華やかな式典は、北風の吹きすさぶ資料館前の広場で執り行はれた。
此処では型式が全てに優先し、内容は二の次三の次。担当者の関心と注意と神経は全て、式典を恙なく執り行ふことのみに注がれるのだ。我々は裏方に徹し、来賓や来客にこれまた形ばかりの愛想を振りまく。でもね、肝心要の展示の細部には、まだまだ神様の宿り木を植え付けるには大きすぎるほどの隙間があって、実質的には今晩が勝負でもあるのだ。
それにしても、守られた型式が堆積していったものが伝統だとするならば、伝統と習慣は何がだう違ふのだらう。伝統の本質も型式の陰に隠れ、今や謎解き聖(日知り)の助けを借りなければ其の意味さへわからなくなってきてしまってゐるのだらう。しかし実際には、意味や意義が人民の心中より忘却されてこそ、型式として確実に伝はって行くのだらうね。
でも、果たして型式遵守者は幸せであるか?
(-_-)
        
             

華やかで やがてかなしき