トニモカクニモ

水溶性の黄昏

先日まで大約3個星期、日記の更新を停止してゐたのだが、数日間ならともかく、さすがに十数人居る(はず)の定期購読者の皆様方の大半は、「嗚呼、鄙の地の偉人も遂に帰らぬ人となりにしかば」だの、工作活動の激化に耐へきれず唐突に国外逃亡を図って満洲に逐電したのだらうとか、新規購入したりける筆記本電脳「韋編三絶」号の不具合もしくは故障又は盗難または不摂生または不都合、不釣り合い、不機嫌、不敬罪、不祥事、不勉強、不平不満、不憫、不明、不覚、不利、不名誉、不感症、不眠不休などなど、これはいったい何の話だったかしらむ? 
結局各分野各方面約5名様より生死確認の電子郵件を頂戴し、恐悦至極の新京極。何とか息も絶へ絶ゑ乍らも生命体としての機能は保持してはゐたものの、歩いたり喰ったり喋ったりしてゐること即ち「生きてゐる」とは言へないところが人間様の奥深き処にて、「生ける屍」とまでは行かずとも、「死せる魂」又は「空蝉人間」または「人間もどき」とでも表現すべき状態にて、さすがに斯くなる上は「源氏物語」か「ラーマーヤナ」でも読むほかはあるまいぞあるまいぞ、精神文明の糊口を凌ぐ毎天からはやうやうにして脱出したふりをしてはゐるものの、激しき日々はこの先いつまで続くやら。
(ー∧ー)
新年早々の解説弁解三昧とは、ちと見苦しき哉。

虚実空間 空蝉の風景―有野永霧写真集

虚実空間 空蝉の風景―有野永霧写真集