2006-01-14 虚心 一方森の中では、シータの略奪されたことを霊鳥ジャターユから知らされた兄弟が驚き悲しみ、直ちにシータの捜索の為に森の中に分け入って行った。 ラーマ兄弟は森の中を彷徨ひ歩くうち、木陰で嘆き悲しんでゐる一匹の猿に出会った。 「何故お前はそのやうに嘆ひてゐるのか」とラーマが問ふと、猿の曰く 「実は私は猿の王スグリーヴァと申す者で御座ゐますが、王位を妻と兄猿のヴァーリンに奪はれてしまったのであります」と答へた。