虚実

葉を食す

昔、コーサラてう国のダシャラタ王には4人の王子が有った。
長子ラーマは文武両道に秀で、国民の信望を集めてゐた。年老ひた王はかねてから、長子ラーマに王位を譲りたいと考へてゐた。ところが第二王妃であるカイケーイは、嘗て王が「何事でも望むことを二つだけ叶へてやらう」といった約束を盾に、自分の生んだバラタ王子を王位に就けることを王に迫り、かつ、ラーマをアヨーディヤーの都からダンダカの森へ14年間追放することをも承認させた。
寛容と柔順の心を持つラーマは、父王の命に自ら進んで服し、美しひ妃シータと弟のラクシュマナを伴って森林の奥深くに隠棲することとなった。

バルトーク : 弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 / 中国の不思議な役人