またぞろ

雲の行方は?

風雲急を告げて、またしても台風接近。
地上の物を全て吹き飛ばさむ勢いの強風が、台風特有の波と塊で押し寄せる。人間は無力だし、非力だ。出来ることと言へば、せいぜい天を仰ぐことと、今にも飛んでいきさふなテントの支柱にしがみついて震ゑてゐることくらいだな。
さすがの二千年の時間の堆積も、風雨の助けを借りて再び大地に帰らむとしてゐるかの如し。
昨夜の中秋、雲間にたゆとう名月の残照はすでに今宵その気配すら無く、十六夜は来月に持ち越したりけるも、ただ月餅(ユエピン)だけは暁を待たずに食すべし。